宝石中のインクルージョンを、顕微鏡写真と共にご紹介いたします(順次、内容を追加してまいります)。
タイトル・写真をクリックすると、インクルージョンの拡大写真が見られます。
※写真は全て弊社にて撮影したものですので、こちらにあるものは、現在弊社にて取り扱いのあるものが中心です。
雪花状(Snowflake) インクルージョン アクアマリンにおいて、しばしば見られる特徴的なインクルージョンが、雪花状インクルージョンです。
ルーペや低倍率の顕微鏡で見た際には、まるでぼたん雪が降っているように見えることから、この名前がつけられています。

レイン(雨)状チューブ インクルージョン アクアマリンには、中空もしくは液体入りの細くて長いインクルージョンが良く見られます。
この細く平行に並ぶチューブインクルージョンが密集しているものは、その降りしきる雨のような印象から、レイン状チューブインクルージョンと呼ばれています。

イルメナイト(Ilmenite) インクルージョン アクアマリンに見られる固体インクルージョンで、暗色の金属光沢を示すものが、イルメナイト(チタン鉄鉱)インクルージョンです。
黒色や褐色の薄片で、骨格状や花柄状を示すことが大半です。
遊色効果 (Play of Color) オパールには、光の回折・干渉現象によって虹のように色が揺らめく、独特の遊色効果(Play of Color)が見られることがあります。
これは、オパールの成分であるシリカの粒子に当たった光が、回折・干渉されて私たちの目に入ってくるために起こります。

遊色効果 (Play of Color) オパールの遊色効果には、成分であるシリカの粒子の大きさや配列が均一ではないために、さまざまな色合いや大きさの班(ふ)が現れます。
右の写真には、色紙を千切ったような、さまざまな色合い(赤・橙・黄・緑・青)、大きさの班が出ています。

遊色効果 (Play of Color) オパールの遊色効果には、成分であるシリカの粒子の大きさや配列が均一ではないために、さまざまな色合いや大きさの班(ふ)が現れます。
右の写真には、美しい青と藍色の、さまざまな大きさの班が出ています。
スタッビィ(Stubby) インクルージョン ガーネットには、蝕融のために角に丸みをもた、切り株形状のインクルージョンが見られることがあります。
産地によりますが、アパタイトやダイオプサイド、ジルコンなど様々なインクルージョンがあります。

アパタイト(Apatite) インクルージョン ガーネット中に見られる透明なインクルージョンのうち、六角柱状を示すものはアパタイト・インクルージョンです。
インクルージョンの生成過程中に、変質や変化を受け、角が丸くなったような形状を示すこともあります。

糖蜜状組織 (Treacle) ヘソナイトガーネットには、もやもやした不均質の内部組織が観察されることがあります。
透明なヘソナイトガーネットは、これによりオイリー状の外観を呈します。
フェザー(Feather) インクルージョン クリソベリルには、フェザーインクルージョンと総称される液体インクルージョンがよく見られます。
アレキサンドライトも、その変色性は酸化クロムによって着色された場合の光学的な特性の一つですので、インクルージョンは通常のクリソベリルと同じです。

チューブ(Tube) インクルージョン クリソベリルにしばしば見られるのが、チューブ(管状)インクルージョンです。
このチューブインクルージョンが平行に密度高く分布している場合には、それに対し直角に光の線(シャトヤンシー)が現れる、クリソベリルキャッツアイになります。

段状双晶面 内包物(インクルージョン)ではありませんが、クリソベリルに特徴的なものの一つに、段状双晶面と言われる双晶構造の交差があります。
接合部が段のようになり交差していることから、この名前がつけられています。
ダブリング(Doubling) ハイタイプのジルコンに顕著に現れる特徴が、大きな複屈折性のために生ずるダブリング(二重像現象)です。
テーブル面からキューレットを観察したときに、エッジの稜線が2本に見えます。

色帯 ロータイプのジルコンは、ハイタイプとは全く異なる色合いを示し、グリーンジルコンとも呼ばれます。
ロータイプのジルコンの特徴として、濃淡の縞模様の色帯が見られることがあります。

への字形模様 ロータイプのジルコンにはしばしば、ブーメランの様な、への字形(山形)の模様が見られることがあります。
この模様は、一定の方向ではなく、様々な方向を向いて存在しているのが特徴です。
アパタイト(Apatite) インクルージョン スピネル中に見られる透明なインクルージョンのうち、六角柱状を示すものはアパタイト・インクルージョンです。
インクルージョンの生成過程中に、変質や変化を受け、角が丸くなったような形状を示すこともあります。

スフェーン(Sphene) インクルージョン スピネル中に、針状結晶が数多く交差して分布しているのが認められる場合があります。
これはスフェーン・インクルージョンです。
このインクルージョンが密集し、アステリズム(スター)効果を示すことがあります。

ジルコンヘイロー(Zircon halo) インクルージョン ジルコン結晶の周りに、後光(ヘイロー、halo)のような割れを伴うインクルージョンは、スリランカ産のサファイアやスピネルなどに見られます。
ヘイロー割れは、平面状ではなく放射状に広がる場合が多く、羽を広げた昆虫のような外観を示します。

ドロマイト(Dolomite) インクルージョン スピネル中に多く見られる、線状や等間隔に分布する多数の小さな小結晶群のうち、無色透明を示す八面体の結晶は、ドロマイト・インクルージョンです。
これらは小さいながらも、主結晶であるスピネルと同じ、八面体の結晶形を示します。

ハーシナイト(Hercynite) インクルージョン スピネル中に多く見られる、線状や等間隔に分布する多数の小さな小結晶群のうち、黒色を示す八面体の結晶は、ハーシナイト・インクルージョンです。
これらは小さいながらも、主結晶であるスピネルと同じ、八面体の結晶形を示します。
ウォーターリリー リーフ(Water lily leaf) インクルージョン 中心にクロマイトなどの微細な結晶を含み、周囲に円形平面に広がる液膜インクルージョンは、その睡蓮の葉のような形状から、ウォーターリリー リーフ・インクルージョンと呼ばれます。
薄い液膜により、角度によっては光を反射して輝きます。

バイオタイト(黒雲母・Biotite) インクルージョン バイオタイト(黒雲母)の薄片インクルージョンがペリドットに含まれる時は、褐色や黒色の、六角形の板状を示すことが大半です。
セント・ジョン島やハワイ産のものを除く、ほとんどのペリドットに見られる特徴的なインクルージョンの一つです。

クロマイト(Chromite) インクルージョン ペリドット中に見られる、黒色の八面体の結晶形を持つインクルージョンは、クロマイト・インクルージョンです。
写真では若干小さく、立体感が出ていないのですが、きれいな八面体を成しています。
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